著作権登録制度、契約書の作成について

著作権は「無方式主義」といい作品を生み出した時点で登録などを必要とせず、誰でも権利が発生致します。

ではなぜこのような制度があるのでしょうか。
登録制度は、自分の作品を譲渡する場合に権利移動などを明確にする、著作権侵害があった時の対抗策として事実を証明する等の際に役立ちます。

登録先はいずれも「文化庁」となります。(プログラムの著作物を除く)
民間の登録業者もありますが、法的効果をもたらすのは文化庁への登録のみとなりますのでご注意ください。

著作権登録

ペンネームや芸名で作品を公表しているけど、私が亡くなったら公表した作品ってどうなるの?

ペンネームや芸名、名無しで公表された作品は「公表後」70年を経過するまでの間、著作権が存続するとされています。一方、本名で公表した場合は「死後」70年経過するまで、著作権が存続します。なぜ保護期間が違うのでしょう?ペンネーム等は本人の特定がしづらい為このような差があるのです。(ペンネーム等が著名な場合は除く)
しかし公表時の名前の差だけで保護期間が変わってしまうのは不公平な気もします。
そんな時本名を文化庁に登録しておくことで、登録を受けた者がその著作物の著作者と推定する事ができます。結果、実名で作品を公表したのと同様に著作権の保護期間を「死後」70年経過まで伸ばすことが出来るのです。
尚、公表後に改めて本名で作品を公表した場合は、登録がなくても「死後」70年まで作品が保護されます。
実名の登録(法第 75 条)

もし私と似たような作品を公表する人がいたらどうしよう…
私のほうが先に作ったって証明しておきたい

著作権は著作物ができた時に無方式主義で発生しますが、もし同じものを別の場所で他人が公表していた場合、それが盗作なのかどうなのかを第三者が判別するのは難しいことです。どちらが先に創作したのかを証明するものがない場合、相手方に自分のほうが先に創作をしていると対抗するのも難しくなってしまいます。
そのための予防策の一つとして、自分が創った作品の公表(発行)した日を登録しておくことが出来ます。この登録をすることで相手の反証が無い限り、登録されている日が第一発行又は第一公表されたものと推定され、一つの証明となります。→第一発行年月日等の登録 (法第 76 条)

※プログラムの著作物に限っては、似たような制度として創作年月日の登録(法第 76 条の 2) もすることが出来ます。プログラムの著作物以外は登録時に公表されていることが必要となりますが、プログラムの著作物に関しては、未公表でも登録することができます。(社内のみでの利用など公表されないケースが多いため)
尚、プログラムの著作物のみ登録先が異なり「一般財団法人 ソフトウェア情報センター」への登録となります。

著作権を譲渡してもらった(した)んだけど、トラブルにならないようにするにはどうすればいいの?

基本的に著作権の譲渡などは、当事者間の契約で有効となります。しかし、逆に言えばそれは当事者間でしか効果を発しません。著作権登録をしておくことで当事者以外の人(第三者)に対抗することができるようになります。著作権登録をしておくことでその著作物にどのような権利移動があったかを明確に出来ますので、トラブルの予防になるといえます。尚、相続による権利移動もこの登録が可能です。
著作権・著作隣接権の移転等の登録 (法第 77 条)

また、著作権譲渡が行われる時点で、しっかりとした契約書を交わすことも大事なトラブル予防策になります。詳細は契約書作成の箇所を御覧ください。

自分の著作権を担保にお金を借りることが出来るらしいですが、著作権って目に見えるものではないので、トラブル予防がしたいんだけどどうすればいいの?

著作権も財産権になりますので、質権設定をすることが出来ます。
もちろん、お金を貸す人と借りる人の間の契約で、質権は有効になりますが、これだけだと当事者間のみに効果があり、第三者への対抗が出来ません。著作権は目にみえるものではありませんので、著作権を持っている人が、こっそり全く関係ない人に著作権を譲渡してしまっても、質権を設定した貸主は対抗することが出来ません。
このような場合、質権設定を文化庁に登録しておくことで、第三者への証明となり対抗することが出来ます。尚、著作権は質権設定をしても、著作権者が引き続き権利を使うことが出来るのが特徴です。
著作権を目的とする質権の設定(法第 77 条の 2) 

著作権契約書作成

著作権契約の時に契約書を交わす必要性は?

著作権の譲渡や利用許諾を口約束でした場合でも契約自体は有効です。但し、契約をしたという証明はありませんので「約束と違う!」というトラブルが起こりかねません。
また、口約束の場合、当事者間で契約は有効ですが、第三者にはそれを対抗することが出来ません。例えば二重に譲渡が行われた場合、第三者に自分が真の権利者だと訴えることも出来ません。
商品の売買のように、著作権は権利移動が目に見えるものではありませんので、しっかり書面で契約を交わすことが権利を守ることに繋がります。特に著作権は権利が細分化されていますので、何を利用するか、譲渡するか、それを明確にさせることも、トラブルを避けるためにも重要といえます。

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