皆様こんにちは。
行政書士事務所エーミングでございます。

令和4年1月1日から「放送番組のインターネット同時配信等に係る権利処理の円滑化に関する措置」に関する法律が施行されています。

TVerなどでストリーミング配信を見ている時に、権利の関係でお見せできませんと突然表示された経験をお持ちの方は多いのではないでしょうか。

権利処理が出来ていない映像がある場合に映像を差し替えて配信することをフタかぶせと呼びますが、番組を真剣に見ている時に急にこの画面が出てくると気持ちが冷めてしまうことも…

テレビでは放送が出来ているのに、どうしてTVerになるとフタかぶせが起こってしまうのでしょう。

なんと、通常の放送では許諾が不要でも、インターネット配信では許諾が必要になるケースが有るのです。
ここを一元化し、視聴者、放送事業者、クリエイター全ての方に利益になるような措置を講ずるというのが今回の改正の趣旨です。

主に放送事業者の方に大きく関係してくる改正ですので、あまり視聴者側から法改正による変化は感じにくいですが、今後、番組内のフタかぶせは少なくなってくるのではないでしょうか。

中でも、一般の方々にも関係しそうな改正箇所がございますのでここで説明致します。

著作物を提供した場合

仮に、Twitterに挙げている写真を利用したいと、あなた宛に放送事業者から連絡があったとします。
権利者(あなた)がOKを出した場合、

承諾イラスト
<改正前>同時配信等にまで承諾したとはいえない
許諾しているか判断ができないためフタかぶせありとなる
承諾イラスト
<改正後>同時配信等への利用も許諾されたと推定される
フタかぶせなしで使うことが出来る

細やかな話のように感じますが、実は同じ「構いませんよ」でも本年のお正月前と後では意味合いが大きく代わっているのです。
今後このような場面に出会うことがないとも限りませんので、この記事をご覧になった方は是非頭の片隅に入れておいて頂ければ幸いです。

その他に、映像や音楽の利用方法についても改正があったのですが、主に放送事業者の方に関係してくる内容ですので、ここでは割愛致します。

世の中のデジタル化に伴い、少しずつ法律も変化していっています。
なかなか全てを追うのは難しいですが、著作権は本当に身近に存在する権利ですので、少しでも皆様がご自身にも関わる著作権の中身を知ってくだされば幸いです。