皆様こんにちは。
行政書士事務所エーミングです。
10月1日から新著作権法が施行されました。
著作権法は改正が多い法律ですので、こまめな知識のアップデートが必要になります。
著作権にまつわる世の中が目まぐるしく変わっておりますので、これからも色々な法改正が行われるでしょう。
本日は普段の生活に関わりそうな法改正部分をピックアップしてお話致します。
海賊版対策の強化
ここ最近の著作権関連の大きなニュースとして、海賊版の著作物を載せている違法サイトの話を聞いたことがある方はかなり多いと思います。
漫画を始めとした違法書籍を多くアップロードしていた某サイトによる被害想定額は、約3,000億円にもなるそうです。
ここ数年のインターネットの発展により、簡単に他者の作品をアップロードしてしまえる世の中になりました。
アップロードした作品はその瞬間、安易に全世界に発信されてしまいます。
アップロードするのも簡単、それを読むのも簡単、そして拡散させるのも本当に簡単です。
その簡単さが、作品を創る人にどれだけ被害を与えているか気づかせない現状を引き起こしているように思います。
作品の受け手が各々敬意とモラルを持って作品を楽しむ、というのが理想ですが、そう簡単にはいきません。
そこで今回、法律によって規制を強めることとなったのです。
リーチサイト規制
そもそもリーチサイトとはなんでしょう?(私もお恥ずかしながら今回初めてこの言葉を知りました)
PCやスマホをよく使う方はなんとなく知っているかもしれませんが、実際に著作物をアップロードしているサイトではなく、その違法にアップロードされた著作物のリンクを紹介しているサイトです。
今回は違法アップロード者のみならず、その違法コンテンツへの誘導を助長するようなサイトにも規制が加えられるようになったのです。
サイト運営者(アプリの運営者も含みます)にはもちろん、リンク提供者にも刑事罰がついてしまいます……!
昨今は在宅で出来るお仕事も増えましたが、違法と知りながら安易に手を出せば、刑事罰に問われてしまう可能性があるわけです。
自分のやっていることが誰かを傷つけてしまうことではないか、一度振り返ることが大切ですね。
写り込みに係る権利制限規定の対象範囲の拡大
そもそも写り込みとは?
外で記念写真を撮る時、図らずも何かの著作物が写り込んでしまう時があると思います。
例えば、人物の後ろに何らかのポスターが写り込んでいたなどです。
このように意図しないで写り込んだ著作物にまで著作権の侵害といってしまえば、気軽に記念写真を撮ることもできなくなってしまいます。
そのため、一定の範囲内で写り込みに権利制限をかけているのです(著作権侵害にあたらないという事です)。
今までこの制限の対象は「写真、録音、録画」に範囲が限られていました。
しかし今回の改正で、「スクリーンショットや動画の生配信」へも対象が拡大されました。
また、今まではメインの被写体から分離困難な写り込みが対象とされていましたが、メインの被写体に付随していれば分離困難とまでいわずとも対象となることになりました。
子供にぬいぐるみを持たせて動画を撮るなどは権利制限の範囲となります。
但しここで注意すべきなのは、あくまでも正当な範囲内で利用されていないと著作権侵害になってしまうということです。
例えば、ぬいぐるみの人気を利用したい意図で、子供にぬいぐるみを持たせた動画を配信したとしましょう。
これは正当な範囲内の行為とは言えず、著作権侵害になってしまう可能性が出てきてしまうのです。
線引きが難しい所ですが、その著作物の経済的な利益を侵害しようとしたり、その作品製作者の人格権を侵害するような行為は、権利制限の範囲に及ばないと考えて頂ければと思います。
著作権にまつわる法改正は、直近でまた来年1月1日にも施行が予定されています。
法律が変わる変わらない以前に、著作権にまつわるお話は一人ひとりのモラルが試される部分だと思います。
自分が著作権侵害に合うことも、侵害してしまうことも身近で十分起こり得る事です。
是非私には関係ないと思わず、すこしだけでも目を向けて頂ければ幸いです。